Issue 03 2026.10.24
This week — 3 stories

世界のカンナビスカルチャーを、週に一度、厳選して。

今週は、街の夜市を開くアメリカのガラスギャラリー、女性とカンナビスを夢のような情景で撮る写真展、そしてアメリカの秋の品種トレンドから。

16:20 ― 針と針のあいだは、10度。
  1. 01ガラスのギャラリーが、街の夜市に。コロラドとアリゾナの秋のイベントGlass & Gear / US
  2. 02女性とカンナビスを、夢のような情景に。写真家マジェナ・アブラハミクの「GirlPlay」Art & Design / US
  3. 03甘い果実、柑橘、そして「バーガー」。アメリカの秋の品種トレンドStrains / US
01
Category
GLASS & GEAR / CULTURE
Where
アメリカ・コロラド州/アリゾナ州
When
10月17日・24日

ガラスのギャラリーが、街の夜市に。コロラドとアリゾナの秋のイベント

夕暮れの夜市で、ガラスギャラリーの前に出店が並び、手前で作り手がバーナーの炎でガラスを形づくっている。
イメージ(AI生成)
Summary

アメリカのガラス専門ギャラリー2軒が、この秋、地元の作り手やアーティストを集めた夜のイベントを開いています。コロラド州の Elev8 Glass Gallery は10月17日に「Heady Halloween」を、アリゾナ州ツーソンの Sunset Glass Gallery は10月24日に、ガラス吹きの実演がある無料の夜市を予定しています。

アメリカには、パイプやボングなどのガラスの喫煙具を、作家の作品として並べるギャラリーがあります。この秋、そうしたギャラリーが、買い物の場所にとどまらない夜のイベントを開いています。

コロラド州コロラドスプリングスの Elev8 Glass Gallery は、10月17日の夜に「Heady Halloween」を開きました。案内によると、ガラス作品の展示に、地元の出店、仮装コンテスト、サイレントオークション、景品つきの企画を組み合わせた催しです。「ヘディー(heady)」は、作家性の高い手づくりのガラスの喫煙具を指す言葉です。2019年にもこの名前で開かれていた、ギャラリーの恒例の催しです。

アリゾナ州ツーソンの Sunset Glass Gallery は、10月24日の夕方から夜にかけて「Sunset Night Market」を予定しています。地元のアーティストや作り手、音楽、屋台が集まり、ギャラリーではガラス吹きの実演も行われます。入場は無料で、21歳以上が対象です。前日の23日には、同じギャラリーでヨガのクラスも予定されていました。

どちらのギャラリーも、作品を見せて売る場所であると同時に、地域の人たちが集まる場所としての顔を持とうとしています。バーナーの炎でガラスが形になっていく様子を間近で見られるのも、こうした場ならではです。

Our view

ガラスの作品は、大きな展示会や専門誌のなかだけでなく、こうした街のギャラリーで地域の人たちと出会っています。作品を売る場所が、作り手と街をつなぐ場にもなっている。ガラス文化の足元の姿として、これからも追いかけたい動きです。

02
Category
ART & DESIGN / CULTURE
Where
アメリカ・オハイオ州シンシナティ
When
11月14日まで 開催中

女性とカンナビスを、夢のような情景に。写真家マジェナ・アブラハミクの「GirlPlay」

午後の光が入る白い壁の写真ギャラリーで、数人が壁の写真を静かに眺めている。
イメージ(AI生成)
Summary

写真家マジェナ・アブラハミクの写真展「GirlPlay」が、オハイオ州シンシナティで開かれています。女性の権利とカンナビス文化が交わるところを、色と光にあふれた夢のような情景で描くシリーズです。会期は11月14日まで。10月30日には作家本人による解説とツアーがあります。

会場は、シンシナティのギャラリー BasketShop です。この秋に街のあちこちで開かれている写真の祭典「FotoFocus Biennial 2026」の展示のひとつで、入場は無料です。

「GirlPlay」は、女性たちが植物や部屋のなかで過ごす時間を、構図を組み立てて撮った写真のシリーズです。2017年にシカゴのギャラリーで個展として発表され、女性どうしの親しさや、ともに過ごす時間がテーマになっていました。

今回の展示の解説では、男性のイメージで語られがちな「ストーナー」の決まりきった姿に対して、カンナビスを女性の主体性や創造性、自由の場として描き直す試みだと説明されています。裸の姿も、弱さではなく、主体性やいたわりのしるしとして扱われています。

会場には「Cotton Mouth」「Waves On High」(2016年)、「Noon」(2014年)などが並びます。10月30日の17時からは作家本人のトークとツアーがあり、10月30日から11月1日までは、祭典の見どころを集めた「Cincinnati Spotlight Weekend」も開かれます。

Our view

カンナビスの写真というと、商品の写真や記録の写真が多くなりがちです。この作品は、女性たちの関係やくつろいだ時間を、絵画のように組み立てた画面で見せています。カンナビスがどう語られてきたかを、アートの側から問い直す試みとして紹介したいと思いました。

03
Category
STRAINS
Where
アメリカ
When
10月22日 公開

甘い果実、柑橘、そして「バーガー」。アメリカの秋の品種トレンド

窓辺の麻のテーブルクロスの上で、両手でバッズを1つ持って光にかざしている。そばに切った柑橘、パイナップル、さくらんぼ。
イメージ(AI生成)
Summary

アメリカの老舗誌 High Times の記者デヴィッド・ダウンズが、10月に出会った10品種を紹介しました。南国の果物のキャンディのような Pi-Chew、さわやかな柑橘の Bolinas、強い香りの「バーガー」系の掛け合わせ、そして古くから知られる Maui Wowie まで、アメリカのいまの好みが見えてきます。

High Times で毎月続いている品種のコラムの10月版が、10月22日に公開されました。記者が9月から10月にかけて各地で出会った品種を選んだもので、売り上げのランキングではありません。

甘い果実の香りでは、Pi-Chew(Ronin Seeds、Z-Pie #14 × Zuyaqui)が南国のフルーツのソフトキャンディに少しガソリンのような香りが混ざる品種として紹介されています。Dole Whip(交配は Exotic Genetix、栽培は Rosin Tree Farms)は、パイナップルとクリーム、クッキーの香りです。

柑橘では、Bolinas(Purple City Genetics、Orange 76 × Chimera Junky)がぴりっとした甘い柑橘、Whitethorn Rose(Huckleberry Hill Farms)がぶどう・さくらんぼ・レモンにくせのある香りと書かれています。

目立つのは、名前に「Burger」がつく系統です。Toad Burger(Toad Venom × Donnie Burger)と Hash Burger(Han Solo Hash Plant × Double Burger)は、どちらも「バーガー」系の親を持ち、鼻にくる強い香りが特徴として挙げられています。

一方で、Maui Wowie のように古くから知られる名前もあります。Humboldt Family Farms が2009年にハワイ島から持ち帰った株を育てたもので、南国の果物や柑橘、スパイスの香りと紹介されています。

Our view

品種の流行は、香りの言葉の流行でもあります。デザートのような甘さと、鼻にくる強さという正反対の好みが、同じリストに並んでいるのが今のアメリカらしいところです。新しい掛け合わせのとなりに、古い株を大事に育ててきた品種が並ぶのも、前号のセントビンセントの話とつながる気がします。